四季を彩る野鳥たち(2019年秋~初冬)

DIARY

Fairies of wing
Japanese Birds of Wildlife in Autumn ~ Early Winter 2019.

季節感に溢れる自然豊かな日本。
季節によって巡る自然風景とともに野鳥たちも季節によって多く入れ替わります。

そんな野鳥たちは何も特別なところへ足を運ばなくても里山や自然豊かな都市公園などでも大変多く観察できます。

渡り鳥を中心に、留鳥も含めて2019年の秋から初冬にかけて撮影できた野鳥たちを紹介します。美しい日本の森林に暮らす野鳥たちの記録です。



シジュウカラ

シジュウカラ(Parus minor minor)

スズメ目シジュウカラ科。
体長は15cmほどでスズメよりも少し小さめ。シジュウカラは日本では最もポピュラーな留鳥。群れを成し、ちょこまかと動き回る活発な野鳥。
胸から下尾筒まで黒いネクタイ状の模様が特徴。雄雌は同色で区別するのが難しいですが、ネクタイ状の模様が雄は太く雌は短いので、そこで区別すると良いかもしれません。

エナガ

エナガ(Aegithalos caudatus trivirgatus)

スズメ目エナガ科。
体長はシジュウカラよりもさらに小さく14cmほど。エナガもシジュウカラと同様に比較的ポピュラーな留鳥。長い尾が特徴で、円らな瞳と小振りな嘴、丸っとした愛らしい姿で私が野鳥に興味を持つきっかけとなった野鳥でもあります。
群れを成し、秋冬にはシジュウカラやメジロ、コゲラなどと混群しちょこまかと動き回る。

コガラ

コガラ(Poecile montanus restrictus)

スズメ目シジュウカラ科。
体長は13cmほどでシジュウカラより小さい。胸から腹にかけて真っ白で黒いベレー帽を被ったようなカラ類の留鳥。私の印象ではシジュウカラよりももっと山間にいるイメージ。

ホオジロ

ホオジロ(Emberiza cioides ciopsis)

スズメ目ホオジロ科。
体長は17cmほど。木や枝のてっぺんで空に向かって囀ることも多いので比較的見つけやすい印象。容姿がカシラダカに似ていて野鳥初心者のころはよく間違えていましたが、ホオジロは腹が褐色で全体的に赤みがかっている。
ホオジロ類の多くは『チッチッ』と鳴きますがホオジロは『チチチッ』と連続して鳴くことが多い。

ジョウビタキ

ジョウビタキ(Phoenicurus auroreus)

スズメ目ヒタキ科。
体長は14cmほど。日本を代表する冬鳥。寒くなって里山や森林で『ヒッ、ヒッ』という地鳴きが聞こえるといよいよ冬がやってきたと感じます。個人的にまず寒くなったら見つけたい野鳥。群れずに単独で行動し、尾を左右にプルプルと振るわせる仕草が可愛らしい。

ツグミ

ツグミ(Turdus naumanni eunomus)

スズメ目ヒタキ科。
体長は24cmほど。ジョウビタキとともに日本では代表的な冬鳥。比較的大きく見つけやすいポピュラーな野鳥。地面に降りて落ち葉をひっくり返して木の実や虫を探している姿は冬の風物詩とさえ感じます。
『ツグミ』という名前の由来は、冬鳥のためさえずらずに口をつぐんでいるというところからと言われています。

アオジ

アオジ(Emberiza podocephala personata)

スズメ目ホオジロ科。
体長は16cmほど。スズメより少し大きめな留鳥(地域によっては冬鳥)。草むらや藪の中で『チッ、チッ』と地鳴きしてなかなか姿を見れない印象があります。名前に『アオ』が入っていますが体は緑がかっているのが特徴。
雄は目元が黒く頭部が緑灰色、雌は黄色の眉斑がある。(画像は雌)

イカル

イカル(Eophona personata)

スズメ目アトリ科。
体長は23cmほど。黄色く大振りなくちばしが特徴の留鳥。群れを成して木の実をパチパチと音を立てて食べているのを良く見ます。種子を砕くにはこの大振りな嘴が活躍しています。

シメ

シメ(Coccothraustes coccothraustes japonicus)

スズメ目アトリ科。
体長は18cmほど。寒くなると多く見られる冬鳥。同じアトリ科のイカルに容姿が似ていますが少し小さく色違い。こちらも木の実を音を立てながら食べているので、くちばしが木の実だらけのときもあります。
雄雌はほぼ同色ですが、雄は頭部が赤みのある褐色。目つきが怖く、気性も荒いのが特徴。

オナガ

オナガ(Cyanopica cyanus)

スズメ目カラス科。
体長は35cmほど。尾が長く水色がかった美しい鳥ですがカラスの仲間である留鳥。頭部はベレー帽を被ったように黒い。日本では中部地方以北にだけに生息すると言われています。美しい姿に似合わず『ギャー、ギャー』と鳴く。

私の撮影スタイル

ご覧頂いたようにどの野鳥たちもそれほど珍しい種類の野鳥ではありません。他にはコゲラやアカゲラなどのキツツキたちや、トビなどの猛禽、メジロやヒヨドリ、セキレイ、カワセミなど身近な野鳥たちも撮影しましたが、そのどれもが一般的な野鳥たち。

私は『○○を撮りに行く』と目的を持って野鳥を撮影するタイプではなくて、ふらっと出掛けた野山を歩いてみて、そこで出会った野鳥たちを撮影するというスタイル。

もちろん例外的に、ある目的の野鳥を撮影するという場合も無いことは無いです。例えば北アルプスのライチョウや、冬の渡りの時期のハクチョウなど。でも基本的には『ふらっと』スタイル。

日本の美しい野山の季節による変化を楽しみながら、そこでひたむきに生きている野鳥たち。その健気さにいつも感動します。生き残るために縄張り意識が強い個体や、逆に天敵から身を守るために混群して協力し合ったり。なので撮影自体も図鑑のようにあまりズームアップせずに、出来るだけ野鳥が風景のなかに溶け込んだような画を目指して撮影しています。

もちろん手持ちのレンズが小鳥を撮影するには短すぎるところもあります。野鳥は600mmからが標準的で、出来れば800mmくらいあれば小さな野鳥でもかなり大きく写せます。しかし逆に手持ちのレンズの『少し広めの画角』をうまく使えば良いだけの話。

あまり野鳥たちを刺激したくないとも思っていますので、そっと遠くから双眼鏡で観察するようなイメージで撮影しています。

 

〇参考文献
・『ぱっと見わけ観察を楽しむ野鳥図鑑』ナツメ社
・サントリーの愛鳥活動
・日本の野鳥識別図鑑

 

〇今回の撮影地
・北本自然観察公園
・松姫峠付近
・鐘撞堂山ふるさとの森
・浅羽ビオトープ

 

aquila sky art  “Fairies of wing”