karrimor cougar 75-95 (撮影山行ザック考)

GEAR

今回は新たに撮影山行用の大型ザックを導入しましたのでその紹介と、私なりの撮影山行に適したザック選びのポイントをシェアしたいと思います。(実際には2020年に導入しています)

“私なりの” というのが実は重要で、最終的には個人の目的や用途によってそれぞれの最適解を見つけるしかないのですが、今回の記事がその参考の一つになれば幸いです。

(目次)

  • 撮影山行とは
  • カメラバッグよりも登山用ザック
  • 撮影山行に適したザックとは
  • これまで使用してきた deuter のザック
  • ザック買い替えの候補
  • karrimor クーガー75-95
  • まとめ



撮影山行とは

“通常の登山” と “撮影山行” の違い

さて冒頭でも触れましたが、私が山に入る目的は基本的には山岳写真の撮影のためです。もちろんカメラを持たずにトレーニングが目的だったり、少し山の空気を吸いたいと機材を持たずにふらっと山に入ってコーヒーを飲んだりといったこともあります。しかし北アルプスをはじめとした本格的な登山に関して、私の場合すべて山岳写真が主目的となっています。

通常の登山ですと荷物は最小限に(もちろん非常用のものも含めて)ということが基本となります。カメラなどもコンパクトカメラなど比較的軽量のもの、もっと言うとスマホで撮影となれば荷物はとても軽量になります。

どこからが撮影山行となるのかその線引きは微妙ですが、レンズ交換式のカメラ本体に数本の交換レンズ、三脚を携行して美しい山の風景や朝夕の山並み、そして星空(山岳星景)などを撮影するといった行為は撮影山行となるでしょう。もちろん人によってはスマホで撮影すると言っても入山目的が撮影であれば撮影山行になり得るかもしれません。

便宜上ここでは撮影山行を

多くの機材を担ぎ上げて入山すること
とします。

撮影山行は単に荷物や機材が一般的な登山と異なるだけではなく、そもそも目的が違ってくるので目的地が山のピークでないこともあったりもします。そのあたりの事はまた別の機会に取り上げたいと思います。

機材を担ぐということ

そのため撮影山行となると荷物が通常の登山と比べて飛躍的に多くなり、重くなります。私の場合はカメラ本体もサブとしてもう1台は必ず担ぎますし、レンズはテレコン含め4本~5本、三脚、レリーズ、各種フィルター、予備バッテリー、時にはポタ赤など機材だけで10キロ弱となります。そこに私は泊りの際は基本的にはテント泊となりますのでテント装備も加わり、ザックの総重量は平均して25kgくらいになります。

重いと思われる方も多いかと思いますが、実はこの数値は撮影山行としては軽いほうです。こんなことをやっていると『類は友を呼ぶ』のかわかりませんが、同じように撮影目的で山に来ていた方々とよく一緒になったりします。その方々に伺うとみなさん「今日は30kg…」とか普通にいらっしゃいます。私自身こんなことを年齢的に果たしてあと何年できるか分かりませんが、この重量を担ぎ上げなければなりません。

体力はもちろん、それを維持するモチベーションも大切になってくるのですが、夢中になっているときはその心配はありません。それよりも大切になってくるのはその荷を入れるザック。登山における三種の神器(ザック・登山靴・雨具)のひとつでもあるザック選びは撮影山行にこそとても重要なものになります。

この三種の神器のうち登山靴に関しては以前に『LOWA タホープロⅡ』を取り上げましたが、今回はザックについてです。

LOWA タホー プロ Ⅱ GT

カメラバッグよりも登山用ザック

私の経験から3,000m級の日本アルプスや八ヶ岳連峰などの高山で数日にわたる山岳撮影を敢行する際は写真用に設計されたバッグよりも縦走登山用に設計されたザックのほうが良いと思います。と言いますか、実はテント泊縦走に適切な大型ザックに相当するカメラバッグというのはほとんど無いと言うのが現状です。

確かに中には日帰り山行や1泊2日程度の小屋泊り山行くらいであればバックパックタイプのカメラ用バッグでも対応できる製品もありますが、テント泊山行となると飛躍的に荷物が増えるので必然的に登山用のザックを使用することになります。

写真用のバッグはカメラ本体や交換レンズを収納しておくスペースが別に用意されていたり、その収納部自体がカスタマイズ可能な分厚い仕切りで整理しやすくなっていたり、さらにその収納部からすぐに機材にアクセスできるものも多く撮影に関しては効率的な作りになっています。

カメラバッグ『Flipside Trek』(出典:Lowepro)

私も登山ではなく日帰りで森や湖畔、沢沿いなどのフィールドを歩き回るような撮影時は登山用のザックではなく背負うタイプのカメラバッグを使ったりもします。

具体的にはLowepro『Flipside Trek BP 450 AW』というカメラバッグを気に入って使用していますが、ただ私の場合これを登山(たとえ日帰りの撮影山行だとしても)で使おうとは思いません。

カメラバッグは登山以外で愛用

やはり登山用に設計されたザックというのは収納力の面はもちろん、荷物をパッキングしたときの重量バランス、各種ベルト類がしっかりと登山向けにチューニングされ設計されています。とくに腰ベルトは重い荷を持つ際に重要となる部分です。

登山に最適化された設計の登山ザック

大型ザックは重い荷を肩だけで担ぐという概念で作られていません。
よく言われる、

『体全体で支える』『腰で支える』
という概念のもとで、『腰7肩3』くらいのバランスで担げるよう非常に分厚い腰ベルトや重量バランスを考えて作られています。写真専用のカメラバッグでこのような概念で作られた製品を私は見たことがありません。

撮影山行に適したザックとは

ザックの自重よりも堅牢性を

撮影山行、とくに合わせてテント泊装備も担ぐとなると容量ももちろんですがザック自体の頑丈さ丈夫さが特に重要になると思っています。

重い荷を入れる大型ザックを選ぶ際、個人的にはザック自体の重量はそれほど気にする必要はないと思っています。と言うのは、どうせテント泊での撮影山行用の荷をすべてパッキングすると20kgは越えてしまいます(私の場合は)。もう20㎏を越えてくるとザックの自重が100グラムとか300グラムとか軽くなっても違いは感じません。それよりも自分の体形にいかにフィットしているか、パッキングのし易さ、背負った時の重量バランス、そして剛性。そういったことを重要視したほうが良いと思います。

ザック自体が軽くても剛性が弱いと重い荷を背負って登山道を登っているときや下っているとき、左右前後にブレるような感覚を覚えます。そのようなザックはいくら軽くてもかえって疲れてしまいます。生地も撮影機材のように固くて角ばったものを入れることを想定して厚めのもののほうが良いでしょう。

2気室以上を

撮影目的でのテント泊となると衣食住関係の荷物と撮影機材の荷物を分けてパッキングしたほうが扱いやすいです。確かに境目のない1気室のザックのほうがパッキング次第では多くの荷物が入るはずです。なぜなら境目が多くなればなるほどデッドスペースが出来やすくなってしまうからです。

しかし1気室のザックでは目的のものにアクセスするのが大変ですし、かなりの慣れを必要とします。もしお持ちのザックや購入予定のザックが1気室のザックでしたら、撮影機材関係だけを入れるクッション入りのインナーバッグで対応すると良いと思います。

サイドボトムポケット(三脚の携行)

山での星空撮影や山岳星景などを含む山行ですと三脚は必ず持つことになると思いますが、この三脚の携行方法には注意する必要があります。カメラや交換レンズは外しておくことで比較的コンパクトに携行できますが、三脚の携行には私自身も苦労してきました。

しっかりとした三脚となると脚を畳んだとしてもそこそこの長さになってしまいます。そのそこそこの長さのものをどうザックに括り付けるか。

山を登っていると私のようにいかにも「山岳撮影に来ました」的な方々にお会いしますが、中には畳んだ三脚を横にしてザックの上部や下部に括り付けている方をお見掛けすることがあります。この括り付けの方法だと山道(特に狭い樹林帯や岩場)を歩いているとそこかしこに三脚の先端部分が当たってしまいます。三脚が痛むのはもちろん、木の枝が引っかかったり岩場にぶつかったりして山行中かなり危険な場面が出てきます。

自然保護の観点からもあまりおすすめできません。さらにザックの下部に括り付けてしまうと小さな子供の目線付近に三脚の先端部分が来てしまい大変危険です。
そのため私は嵩張るようならば雲台も取り外し、三脚は立てた状態でザックの横に括り付けています。この括り付け方でもザックの横幅が少し増すことになりますが、少なくとも鋭利な三脚の先端が横方向に向くことはありません。

このように三脚をザックの横に括り付けるということで、少なくとも私のザック選びの際はザックに脚を収納するためのサイドボトムポケットが必須になってきます。それも軽量化を推し進めたメッシュ生地ではなく本体の生地と同等の丈夫な生地が使われたサイドボトムポケットが必須になります。

三脚の携行に丈夫なサイドボトムポケットは必須

個人的撮影山行用のザック選びのポイントまとめ
①軽さよりも堅牢さ重視
②2気室以上のもの
③丈夫な生地で作られたサイドボトムポケット



これまで使用してきた deuter のザック

私がいままで使ってきたザックは deuter(ドイター)のザック。
大中小、それぞれ目的に合わせて使い分けていましたが、すべてドイターのザックでした。

山行ごとに使い分けてきたドイターのザック

・FUTURA 32 AC (日帰り山行用)
・AIRCONTACT 45+10 (小屋泊り・雪山用)
・AIRCONTACT 65+10 (テント泊山行用)
ドイターはドイツの老舗バックパックメーカーで、自動車同様ザックも非常に頑丈に作られています。生地の厚さ、金属製のフレーム、大ぶりな各パッドは非常に堅牢さを感じます。ただその堅牢さゆえか、他のメーカーのものよりも若干荷物が入らない、パッキングしにくいと感じていました。

背面がメッシュ構造の日帰り用 Futura 32 AC

雪山日帰りおよび小屋泊用 Aircontact 45

実際にドイターの背負い心地は背面がアールを描いていて、非常に体にフィットする仕様になっているため背負いやすかったのですが、その分、中の荷室も背面側がアールを描いていてパッキングしたときにデッドスペースが出来やすくなっていました。そのためカタログの数値以上に荷が入らないと感じていました。(特にFUTURAシリーズのザックに関しては背面がメッシュになっていて想像以上に荷物が入らない)

長らくメインで使用していたテント泊用 Aircontact 65

北アルプスでの数日間のテント泊などでは常にザックはパンパン、テント撤収時に適当にパッキングしてしまうとヘタをすると入らない時もありました。

もう少し容量の大きいザックが欲しいなと思っていた折、AIRCONTACT 65+10の背面長調整の部分が長年の重みに耐えられず破れてきてしまいました。現代のザックは背面長を調整できるものも増えてよりフィット感に拘ったものが多くなっていますが、やはりどうしてもこのような調整機構の部分から痛み始めてしまいます。

ドイター独自の背面長調節システム

長年の酷使で破損してしまった…

だましだまし使ってきましたが、登山中に何かあったら困るのでザックの買い替えを行いました。

ザック買い替えの候補

買い替えの際、私なりに下調べをしていくつかの候補を上げました。

deuter AIRCONTACT 75+10 (新モデル)

多少の不満点はあったものの気に入っていたエアコンタクトをまた新しく買い替えることを考えました。もう少し大きい65L以上のザックが欲しかったですが、そこに行くよりも荷物自体の取捨選択をすべきとの考えも少しありました。

しかしそのエアコンタクト、すでにモデルチェンジされていました。

現行モデルのドイターAircontact 75 (出典:deuter)

ザック自体の自重が昨今のトレンドに則したように軽量化されていました。
ドイターと言ったら『重いけど剛性が高い』というイメージでしたから、このモデルチェンジには少し違和感を覚えました。さらにこのモデルを諦める決定的な部分としてサイドボトムポケットがメッシュ生地に変更されていました。

確かに軽量化、使い勝手の面ではメッシュ生地でも問題ありませんが、私の場合三脚の脚を入れておく関係でメッシュ生地はあり得ない仕様です。間違いなく数回の使用で破れてくると思いました。

GREGORY バルトロ75

エアコンタクトを早々に諦め、次に候補に挙げたのはグレゴリー『バルトロ75』。グレゴリーと言ったらバックパック界のロールスロイスとも言われる『ザックの王者』。私も一度はグレゴリーのザックを使ってみたいという憧れもありました。

バルトロ75はモデルチェンジしたエアコンタクトのようにサイドボトムポケットがメッシュ生地ではなく本体と同じような生地が使われていました。実際にこのザックを撮影山行で使われている方が三脚を横に括り付けていた画像をネットで拝見していました。

ザック界のロールスロイスことグレゴリーのバルトロ75(出典:GREGORY)

「これなら使っていけそう!」
と実店舗に見に行きました。

しかしこのバルトロは全体的に生地が薄めに作られているという印象でした。もちろんグレゴリーの事ですから薄くても丈夫な生地でしっかりした作りのはずとは思いましたが、私が抱いていた印象とは違いました。

グレゴリーはより良いフィット感が得られるように使用者の背面長を計測して適切なサイズを選択出来たり、様々なギミックがあって使い勝手も良さそうでしたが、なにせ『高い…!』
底辺を這いつくばっている私のような零細登山者にはそこが一番のネックでした。

その他ミレーやモンベル、オスプレーなどバルトロを見に行ったついでに様々なメーカーのザックを試してみましたが、そんな中のひとつにカリマーのクーガーがありました。



karrimor クーガー75-95

大型ザックコーナーに並んでいたこの『karrimor cougar 75-95』

カリマーはイギリスのサイクルバッグメーカーが発祥で、『carry more = もっと運べる』をブランドの語源としているそうです。次第に著名クライマーに支持されアルピニズムの歴史の一端を担ってきたという歴史あるブランドです。

karrimor cougar 75-95

まったく候補に挙げていなかった、ノーマークだったカリマーのザックでしたが背負ってみるととても私にフィットすると感じました。このザックも機構こそ違えどエアコンタクト同様に背面長を調整できるモデル。たしかにこういった可動部分というのはトラブルが発生するタネになる可能性もありますが、はやり背面長の調整機構は重い荷を長時間担ぐ登山では非常に重要な機能だと思っています。

そしてサイドボトムポケットもメッシュ生地ではなく本体と同じ生地で、しっかりとした作りになっていました。実はこのサイドボトムポケットの件ですが、実際に店舗で多くの大型ザックを見てみましたが、本体と同じ生地で作られているものは選択肢が少ないというのが現状でした。そもそもサイドボトムポケットが無いモデルも多かったです。

※現在は旧製品のようで、公式HPには掲載されていない商品です。

良い点

このクーガー、実際に山でテント泊含めて何回か使ってみましたが非常に気に入っているザックです。その中で感じた良いポイントを挙げてみます。

①マチが大きくパッキングしやすい
このザックは75Lザック(拡張で95L)ですが、荷を入れていない状態だとエアコンタクト65+10とほとんど同じ大きさ。大型ザックコーナーにズラリと並べられたザックの中でも一番小ぶり、中型~大型の間くらいの印象でした。
「本当にこれで75Lか?」と不安に思うくらいコンパクトでした。

実際にこのザック容量というのは各メーカーによって計測の仕方が違うようなのであくまでカタログ値は目安と考えたほうが良いでしょう。

パッキング前は意外にも65Lザックと変わらないサイズ感

しかしこれがどうでしょう!
実際にテント泊山行の数日前からパッキングを始めてみると荷物がみるみるザックに吸い込まれていきます。このザックはエアコンタクトよりもマチが広くとってあり、横方向と縦方向、さらに前方向にザックがどんどん広がっていくイメージです。

エアコンタクトは縦方向に積み上げていくタイプでしたので、パッキングもクーガーのほうが懐が深い印象でやり易く感じました。

②分厚い腰ベルトの独自設計
クーガーの腰ベルト(ヒップベルト)はエアコンタクト同様、ゴツくて分厚いものが採用されています。グレゴリーのバルトロはこの辺りがちょっと貧弱に感じましたが、ドイターのザックの使用経験から腰ベルトはしっかりしたもののほうが良いと思っていました。

分厚く独自設計の腰ベルト

さらにこのクーガーはベルトの角度が独自設計。まさに締め上げる感じとでも言いますかザックと一体になる感覚があって、より体にフィットするように設計されています。長時間歩いていてもズレにくいと感じる腰ベルトだと思います。

③使い勝手の良いポケット類
このクーガーはサイドポケットや雨蓋部分のポケットの容量が大きめに設計されていてポケットと言えどそこそこの荷物を入れることができます。エアコンタクトのサイドポケットはさほど容量が大きくはなく、私はテント用のペグくらいしか入れませんでしたが、このクーガーではそれこそテントのフライシートくらいであれば余裕で入ってしまうほどの容量があります。

サイドポケットにはテントのフライシートまで入ってしまう余裕設計

腰ベルトのポケットも大振り(左右とも)

さらに前面にある巨大なフロントポケットは使い勝手も良く、直接ザックの中に入れたくないもの(濡れたものなど)や、大きく嵩張るようなもの(スコップなどスノーギア系)を入れたり、様々な用途に使うことができます。

大きなフロントポケットにはワカンはおろか…

MSRのスノーシューまで収納できてしまう

④背面長調整(SAシステム)
カリマーの背面長調整システムはSA(サイズアジャスト)システムと呼ばれる無段階調整機構です。ドイターでは背面にいくつかの “輪っか” が背骨状に並んでいて、自分にフィットする位置に付け替えて調整するタイプでした。

カリマー独自の背面長調整システム『Size Adjust』

カリマーで採用されているSAシステムではザックを背負った状態でも調整が可能となっています。そのためフィット感は荷の重さも考慮して行えるため、より細やかなセッティングが可能となっています。

不満点

まだ使用歴自体が長くは無いので特に不満点は今のところないのですが、気になった点をいくつかピックアップします。

①ザックカバーが付属ではない
今まで使用してきたドイターシリーズはすべて初めからザック下部にザックカバーが内蔵されています。これはとても有用なスペックで、わざわざ新たにザックカバーを買わなくても良いですし、なによりザックカバーを忘れるというリスクが無くなります

もちろん雨が予想されるような日は忘れないかも知れませんが、予想できない急な雨降りのようなときでも、ザックカバーが内蔵されていれば心配ありません。さらに内蔵タイプの良いところはザックカバーが本体に括り付けられているので、強風にあおられてカバーが外れて飛んでいくというリスクも無いところです。

②生地が汚れやすい
クーガーの表面の生地は汚れやすい印象があります。
登山で使うものなので汚れるのは承知の上での使用になるのですが、とくに土汚れなんかはすぐについてしまいます。表面に撥水加工も含めて汚れにくい加工などがあればなお良かったかなと思う程度ですが。

③正面からアクセスできない
ドイターのエアコンタクトは正面のジッパーをカバッ開けることでザックの下側に入ったものにアクセスしやすくなっていました。私はエアコンタクトを使用していた時は機材用の収納バッグを正面側にジッパーが来るようにセットしておいて、レンズ交換など機材にアクセスしやすく運用していました。

しかしクーガーでは正面からザックの中に直接アクセスすることが出来ません。この辺りの使い勝手はエアコンタクトのほうが良かった点です。

④耐久性の不安
これは今後使って行かないとわからないことですが、重い荷を入れて使用していく上で果たして何年、何回くらい使い続けられるだろうかという不安は無いことは無いです。とくに背面長の調整機構のSAシステムは可動する部分なので、この辺りから破損していくリスクは否めないと思います。

まとめ

今回の記事はカリマーのクーガー75-95のレビューというよりは撮影目的の登山用ザックについての考察的記事となりました。登山靴もそうですが、ザックもやはり人によって向き不向きがあります。

登山靴選びの際に重要となる足のタイプ(甲高や幅広など)による登山靴の最適解の相違と同様に、やはりザックも背骨から頸椎にかけての形状や長さ、日帰りやテント泊などの山行タイプ、荷の重さ、そしてどういった山に登るのかは人によって様々です。

他サイズもカリマーで揃えたくなる

ザック選びは悩ましい課題ですが、今回の記事は撮影目的の方に向けた内容なので、一般的な登山者とは少し違った私なりの視点での記事となりました。
その点にご了承いただき、ザック選びの際の何かのご参考になれば幸いです。

ちなみにこれを機に中型ザックもカリマーに変えようかと思っています。もちろん良いポイント・いまいちなポイント多々ありますが、いまのところこのザックが私の山行には最もフィットしていると感じています。

 

最後までお付き合いいただきありがとうございました。